【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「───……っ」
傘が手から落ちる。
私の身体は、
ぎゅっと、力を込めて、苦しいほどに抱きしめられていて。
な……、なんで……?
「ゆ、結城くん……?」
びっくりしている間に身体が離れ、私の肩を掴んだまま、結城くんが私の瞳を見据えた。
「大原、」
「……っ」
真っ直ぐに何かを決めたようなその瞳に、ドクンと心臓が揺れた。
目の前に立つ結城くんが、綺麗な唇を動かす。
だけど、紡がれた言葉は、思いもよらない言葉で───。
「…あいつ…柴崎ってやつに告られたんだろ?」
「え……?
なんで春樹くんのこと……」
突然出てきた春樹くんの名前に、私は思わず目を見開く。