【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「は? 好き?
あたしだってそんなの分かんねーけど」
そう言いながらも、樹紗ちゃんは私の問いかけに少し前かがみになり、真剣に答える姿勢を見せてくれる。
「じゃあ、姉貴から聞かされてきた話な」
「はい」
樹紗ちゃんの言葉に、大きく頷く私。
「好きっていうのは、すごくシンプルに言えば、大切な人のことなんじゃねーかな」
「大切な人……?」
「気づけばその人のことばっかり考えてて、誰よりも幸せになってほしいって思う。
そいつの隣にいたいって思う」
その気持ち、私は確かに感じたことがある───。
「あとは、そいつの一挙一動に対してドキドキしたり。
それだけじゃなくて、そいつと離れたり喧嘩したりすると胸が苦しくなる」
樹紗ちゃんの言葉がすっと頭に入ってくるたびに、
心臓が揺れる。
それが本当なら、私……
ある人の姿が頭の中には浮かんでいて。
すべて当てはまってしまう人がいます……。
私、もしかして───……