【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
と、その時だった。
「もしかして、あんた、大原さん?」
突然そう声を掛けられたのは。
「え?」
聞きなれない声に振り向くと、そこには同じ高校の制服を着たかっこいい男子が立っていて。
でも、着崩された制服と、たくさんのピアス、赤っぽい髪色に思わず身体が縮まる。
樹紗ちゃん……っ。
怖くて樹紗ちゃんの方に視線を送ると、樹紗ちゃんが察してくれたようで、男子と私の間へと立ってくれる。
「未央に何か用?」
すると、その男子は驚いたように首と手を振る。
「違う違う。
俺、怪しいやつじゃねぇから!」
その言い方は、悪い人に思えなくて。