【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「結城くんに伝えたいことがあって……」
「伝えたいこと?」
私はそれに大きく頷き、息を吸った。
伝え漏れがないように。
話すのは苦手だけど、全部結城くんに伝えられるように。
「ごめんなさい。
信じてあげられなくて。
結城くんが人を殴った理由、赤西くんから聞きました」
「え? 赤西から?」
「それで、やっと分かったんです。
私、バカで鈍感だから、ずっと気づけなかった自分の気持ちに」
遅すぎて、自分でも呆れてしまうくらいだけど。
いつもキラキラしてて、みんなが憧れる。
私には届くはずもない人。
だけど、手を伸ばしてみてもいいですか……?
「中学の頃、私のこと好きじゃないって、クラスの女子に話してるのを聞いてるから、結城くんの気持ちは分かってます。
でも、」
涙がポロポロ落ちて、頰を流れ伝う。
私の弱虫。
だけど、もう弱虫なだけじゃいたくないから。
涙を拭いながら、私は結城くんに笑顔を向けた。
「私……結城くんが好きです」