【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
それと同時に私の身体は制止した。
「何言い逃げしようとしてんだよ」
「え……?」
「俺が言いたいこと言えてねぇし」
振り返ると、結城くんが私の手首を掴んだまま、こっちを真っ直ぐに見つめていて。
私の頰の涙をそっと拭いながら、結城くんが綺麗な唇を動かす。
「ずっと……
あいつらを殴った時の大原の怯えた目が忘れられなかった」
「え……?」
「俺は大原のこと傷つけるばっかりで、だけど柴崎は大原のことぜってぇ幸せにできるやつで」
「結城くん……」
「だから、大原が幸せになれるなら、それでいいって身を引いた。
これ以上一緒にいたら放したくなくなると思ったから」
結城くんの目が、熱に揺れていて。
「でも、やっぱり無理だ」
心臓がドクンと揺れる。