【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「やっと同じ高校になれて嬉しくて、絶対彼女になるんだって思ってたのに、振られて」
美彩紀さんが、胸の前でぎゅっと両手を握りしめた。
「なのに、気づけばあんたが彼女になってて。
なんで私じゃないの? 私の方が絶対いい女なのにって、ずっと思ってた」
そこで口をつぐんだ美彩紀さんは、
「だけど、」と、再び口を開いた。
「結城くんがずっと彼女作んなかった理由、なんとなく分かった。
あんたのこと、ずっと想ってたんだって。
だって、こんなにお人好しなんだもの」
「美彩紀さん……」
そんな状況じゃないことは分かってるけど、その美彩紀さんの言葉が嬉しくて。
腕を組んで、溜め息をついた美彩紀さん。
「もういいわ。
結城くんはあんたに譲ってあげる。
あたしは違う男捕まえるから」
「……っ」