【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「で、俺を誘ったってわけ?」
人通りのほとんどない、非常階段の踊り場。
目の前に立つ結城くんの言葉に、私は大きく頷いた。
こんなこと頼めるの、結城くんしかいなくて、結城くんを呼び出したんです。
「男子が怖いこと、知ってるのは結城くんだけなので……」
「いや別にいーけど、それ、俺場違いじゃね?」
「でも、他のクラスの男子もたくさん呼ぶって華恵ちゃん言ってました!」
「ふーん。
男いっぱい来るんだ」
「はい……。
女子は、私とあと6人だけみたいなので、余計怖くて……」
柴崎くんのため、とはいえ、やっぱり男子に対する恐怖心は拭えません。
でも結城くんがいてくれたら、きっと安心できるから……。
「分かった、俺も行ってやる」
「ほ、ほんとですか!」
「しゃーねーからな」
そう言って、くしゃっと笑う結城くん。
太陽の光に当たって、明るい茶髪がオレンジ掛かって見えます。