【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「そういえば、未央ちゃん。
さっきから時計気にしてるけど、誰か待ってるの?」
「あ、はい、お友達を……」
「え?」
と、春樹くんが目を丸くする。
「女子はもう揃ってるって華恵ちゃんが言ってなかったっけ」
「あ、お友達っていっても、男の子なんです」
「男の子?」
「はい!
強くてでも優しくて、かっこよくてスーパーマンみたいな人なんです!」
結城くんのことを考えたら思わず頰が緩んで、
その笑顔を春樹くんに向けると、
「……っ」
春樹くんの笑顔が不意に曇った気がした。
と、その時。
「春樹ー!
今日の主役はこっち来いよー!」
向こうのテーブルの方から、春樹くんを呼ぶ男子の声が聞こえてきた。
「あ、うん!」
そう答えつつ、春樹くんが私の方に目を向ける。
「ごめん、俺行ってくるね」
「はいっ!」
「じゃあまた、学校で」
爽やかな微笑みを残し歩いていく春樹くん。