【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
◆ 真紘side
* * ・ * ・ * *
「はぁ、はぁ…っ」
真っ暗な夜道を、俺はただひたすら走っていた。
汗が流れるのも気にならないくらいに。
用事を済ませた後、大原の元に行こうと思ってたのに、運悪く体育教官に出くわした。
それで授業をサボった反省文書かされて、こんな時間になっちまった。
あいつが待ってるっつーのに。
『結城くんが来てくれるだけで、すごく心強いですから!』
『私、待ってます!
結城くんが来てくれるまで、ずっと待ってます!』
昼間、大原がすっげぇ嬉しそうな顔でそう言ってたのを思い出す。
くそ……っ。
あのセンコーのやろー。
必死に走る。
ただあいつの元へ早く行ってやりたくて───。