【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「俺のこと、見てよ」
「……っ」
春樹くんの大きな手が、私の手の上に重ねられる。
あ、あ……。
どうしよう、怖い……。
心臓が震えて、共鳴するかのように手も震える。
「未央ちゃん……?」
心配気な春樹くんの声。
「あ、あの……」
自分でもパニックになって、目に涙が浮かんだ時。
「未央ちゃんって、もしかして男が苦手?」
そんな優しい声が、私の心臓をまた揺らした。
激しくなんかじゃない、優しくそっと。
こくり、と小さく頷く私。
「引きましたか……?」
「そんな訳ない、引くわけないよ」
予想外な言葉に、私は思わず顔を上げる。
そこには、優しく微笑む春樹くんがいて。