苺味の雫
あ、真子だ
待ち合わせの橋に見えた人影に駆け寄る。
「あ、夢夏ーおはよぉ」
重めの前髪に黒く長いストレート
目がほとんど隠れていて伺えない表情
暗く、地味な外見
幼馴染みの山村 真子(やまむらまこ)
「おっせぇよ夢夏ぁー」
色素が薄く茶色い髪
キリッとした目に長いまつげ
見た目も中身も(?)華やかそうな
幼馴染みの須田 飛翔(すだ ひしょう)
3人で幼馴染み。
一人でも欠けたら幼馴染みなんかじゃない。
でも………
「まーこっ、今日から高校生なわけだけどー3年間よろしくな!あ、夢夏も!」
何そのあと付な感じ…
「飛翔…3年間だけじゃないよ、これからずっと、ヨロシクね……」
「うわぁー熱いわぁー」
パタパタと手で顔を仰ぎ、二人を置いて先に学校へ向かう。
真子と飛翔は付き合ってる。
地味な真子と派手な飛翔
釣り合わないようでいて、本当は知ってる
暗い前髪の中に隠れた素顔は実はとても透明感のある整ったものだってこと。