それぞれの恋愛事情



それなのに

「山田・・・」

私を呼び
優との距離が短くなっていく

「なんでそんな辛そうなんだ?」


意味が分からなかった

言葉の意味も

いつの間にか夕焼けの逆光で見えなかった優の表情が距離が近くになったせいでよくわかるようになったことも


「お前・・・最近笑わなくなった」

「え?」

「というか作り笑いしてる」

優の表情が今まで見たことないくらい険しく
私の気持ちを見透かされている気がして下を向いた


「やっぱり・・・」

私の行動に確信ついたのか
私の顔を上に向かせた


「ッーーーー」

もう限界だ


「サバサバなんかしてない!!」


「優と仲良くしてたいからッ!!」

「気をがないフリするのに必死だっただけ!!」

1度あふれた思いは止められるわけもなく
涙と共にどんどんあふれだしていく

「!?」

優の驚いた顔


嫌われた・・・


「そっか・・・俺が原因だったんだ。ごめん。」

それなのに優は謝りながら
私の頭を撫でる

「優しくなんかしないでよ!!」


教室を飛び出そうとした
優の優しさが悲しくて辛くて
でもそれは優の腕によって阻止された


「俺さ、山田といるとすげー楽しいんだ。
だから、山田が悲しそうな顔するとすげー辛いんだ・・・」


え?

「今すげー山田といたいって思うのは勝手過ぎる?」

辛そうな顔をする優

反則だよ・・・

そんな顔されたら答えは決まってる

「そんなことない・・・」


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