風変わりなシュガー
さらに次の次の偶然で、書いた履歴書を見た店長が、名古屋の本社では空きがないけれどここでは社員の欠員が出ている。まだ新卒扱いに出来るから、入社試験を受けないか、と言われた。
・・・何だってー!!!
私の驚きは理解出来るでしょ、驚くよね、これだけトントン拍子に話が進めば。
何かの力が働いたとしか思えないこんな偶然の連鎖。
ちゃんと話したのよ、本社には落ちたんですって。でも偶々出た社員の欠員の充当には、うってつけだと思う、そういわれてオッケーが出たのだ!試験はあくまでも手続き上のことだから、来週一度本社へ行ってもらうけど、よかったら今週からここへ入って欲しい、そういわれたときにはあまりの衝撃にぼーっとしていて、すぐには声が出ないほどだった。
だってアルバイトの応募しようと思ってきたのに、社員証が手に入るんだよ!
それも一度落ちた会社に。
縁ってこういうことを言うのかもしれない、そう、帰りの電車の中でずっと考えていた。
あれだけ頑張った就職活動の時には手に入らなかった身分が・・・こんなに、一瞬で。何てこったい!
だけど親も喜んだし(父など、愛蔵のナポレオンを出してきて乾杯した)、心配してくれていたけれど自分から遠ざけていた友達にも報告が出来た。
こんなことってあるんだな。一体どれがよかったんだろう、そう考えてはしばらくニヤニヤと笑っている、そんな数日だった。
酷く泣いた元彼のことも、ちっとも思い出さないじゃない、そう気がついた午前3時、私は一粒の涙を零す。
ようやく消化できたんだなって思って。