風変わりなシュガー
音を出来るだけたてないように気をつけながらウッドデッキへと戻り、ガラス戸からこっそりと中を覗いた。
幸い市川さんは気がついていなかったらしい。同じ場所で黙々と手を動かしている。
ああ良かった、私は安心して掃除を再開する。とってもとってもすぐに出来てしまう蜘蛛の巣を箒でとって、デッキの床を今度はモップで水拭きする。それから道具を片付けて息が落ち着くのを待ってから店へ戻ると、市川さんが顔を上げていつもの態度で私に言った。
「デッキ掃除ご苦労さん。じゃあメグちゃん、それ並べて」
「はーい。わお、美味しそう~」
そこには出来たてのホットサンドが湯気をたてて盛り付けてあった。