風変わりなシュガー


「シュガーは悪いやつじゃないけど、変わってるんだ。おねーさんが真面目な性格ならこいつと付き合うのはおすすめしないなー」

「え」

 私は固まった。

 いきなりどうしてこっちにふってくるのよ、話を!?仰天したままひきつった私を見て、男ども、ついでに市川さんも笑う。シュガー男がヒラヒラと手を振った。

「砂糖の人は無理だよ、だって会話にすらならないんだぜ。受け答えから考えてクソ真面目っぽいし」

「メグちゃんは」

 カウンターの中で洗い物を済ませた市川さんが、ヒョイと口を出した。

「凄く真面目だよ。君は聞くところによるとえらく自由な男らしいね。自由恋愛主義とか?」

 カウンターの席に座る男二人が、同時に面白そうな顔をした。

「・・・自由恋愛。と、いうか。女の子は皆好きだよ。柔らかくていい匂いがして気持ちいいから。その中の一人を自分だけのものにしたいとか、オレは思わないってだけ」

 シュガーがそう言うと、友達が頷いた。

「こいつは昔からそうなんですよ。自分の欲しいものがハッキリしてるっていうか。女の子といちゃいちゃするのは好きだけど、心は欲しくない、そんな言い方するんです」

 それから付け加えた。

「オレには判らねーけど。自分は好きな人と結婚できて嬉しいって思ってるんで」

 市川さんが友達の方をみて微笑んだ。シュガーはケラケラと嬉しそうに笑って椅子にだれてもたれかかる。


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