風変わりなシュガー
「お水をして暮らしている独身の女の子だった。家族がおらず、大学にはいかないで夜の世界に入り、詐欺に会って財産を全部失ってしまっていた。話を聞いたり詐欺犯を見つけたり弁護士の手配をしたり・・・そういうことをやっていて、俺はその子と仲良くなったんだよ」
目を一杯に見開いて聞いている私にむかって、市川さんが首を傾げた。
「うーん、メグちゃんは聞いてるのかな?俺は、男の人に恋愛感情を持つ人間なんだ」
私は頷く。それを見て、市川さんも頷いた。
「だけど、その子を抱いた」
仰天した。
ここにお世話になる前に私が考えていたようなことが、実際に、過去にあったらしいってわかったからだ。酔っていたのに、市川さんのその言葉だけはまっすぐに頭の中に入って理解できた。
やっぱり女の人を抱けるんだ!
多分私の口は開きっぱなしだったと思う。だけど市川さんは話を続ける。私の方は見なかった。
「冬で、しばらく食べてないって言ったあの子は精神的にもボロボロになっていた。暴力も受けていたし、友達もいなくて。俺達が紹介していた施設が満員で行く場所がなく、俺は自分の部屋に泊めていて、体調がよくなるまではここにいろって世話をしていた。それで・・・まあ、何日かいて、彼女は俺に迫ってきたんだ」
「・・・あら」
つい漏れた言葉に、市川さんが頷いた。