風変わりなシュガー
「泣きたいなら泣けば?別に我慢する必要ないだろ。泣いて疲れたら寝たらいいし、それだけのことだろ?全然大丈夫でしょ、悩む必要なし。都会の人間って病んでるなー、何でそんな複雑にして、一々面倒臭く考えんの?」
そう言うなり立ち上がり、波打ち際まで歩いたシュガーが裸足になって、私にむかっていきなり海水を飛ばし始めた。
「うきゃあっ!?ちょっと―――――」
彼は中腰になり、股の間から両手で海水をすくっては投げる。バシャバシャと凄い勢いで私に海水が飛んでくる。咄嗟に逃げ出せなかった私は座り込んだままで、冷たい海水を頭から被る羽目に。
汗で濡れていたTシャツも、カーゴパンツも、スニーカーも、リュックも。シュガーが波打ち際からどんどん飛ばしてくる海水に全部が全部濡れてしまった。
「ちょっとってばー!」
遠慮なくふりかかってくる海水は私の全身を濡らしていく。目に入ってしまって痛いし、口にも入ってしまって辛い。ああ、どうしてこんな・・・。
「もう~っ!!」
塩っ辛いのが欲しいんじゃないのよ!!私は、甘いのが欲しいの!優しい優しい甘さが――――――――
むかっ腹が立って、私はようやく立ち上がる。奇声を発しながら海へと突進した。
畜生、シュガーやろおおおおおおおおおおう~!!
同じことをするどころか海中へ押し倒してやる!そう心に決めて海へと入っていくと、シュガーは何と目の前で海へとダイブした。
・・・はっー??!