風変わりなシュガー


 くどい。だけど、つれなくしてもシュガーは諦めない。瞳をキラキラさせて尻尾がついていれば盛大にふっている感じで私を見上げている。

 こんなにも全力でお前が欲しいといわれたら、大抵の女の子はなびいてしまうのだろうなあ!って。よーく判った気分だった。

 私はついに苦笑する。

「・・・でも、だーめ」

「えええーっ!何で~」

「昨日喧嘩した女の子に謝りなさいよ。そんで、その子をちゃんと彼女にしたらいいでしょ」

「それとこれとは違うんだよ~!あの子はメグじゃないだろー!」

 ぶーぶーと文句を垂れて、あくまでも粘るシュガーの頭を水が入ったピッチャーでこづいたりして、しばらく笑っていた。


 だって、抱き合ったりしなくたって、私はシュガーを忘れないから。

 もう思い出は出来たから。


 私は心の中でひとりごちる。


 ・・・色んな言葉を、たくさんの見方を教えて貰ったから。

 シュガーから。




< 97 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop