あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
「お願いします」
そう運転手さんに言うと彼は優しそうに笑いうなずいた。
見た感じ、大学生?いや、高3?
どちらにしても私よりは年上なのは確実だった。
彼は私がちゃんと座ったのを確認すると車を発車させた。
「あれ、ほかのメンバーはいないんですね?」
今気が付いたけれど、車内には私と葵とそれから寝ている葵の隣で寝ている龍と、助手席で同じく寝ている陸しかいない。
紘と千景が珍しくいない。
「あぁ、あいつらはもう一台で行ってるから。朝誰が莉子ちゃんと行くかってじゃんけんして俺らが勝ったってわけ」
にこっと朝の眠気すら飛んでいきそうなくらい爽やかに笑う葵に私も微笑み返した。
というか、じゃんけんするほどの事でもないような気がするけど・・・。