あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
「そうだね、特に龍は楽しみにしてたから。珍しいことなんだよ?」
まぁ、それはなんとなくわかる気がした。
女嫌いの龍がプライベートビーチ以外に行くことを了承するのは、あんなに拒絶していたのを知っているから余計に。
罪悪感、がないわけじゃないけど。
私だって条件を付けないと海にすらまともにいけない体だから仕方ないっちゃそうなんだけど。
「知ってますよ。じゃあ、一つ私も。私が海に行くって珍しいことなんですよ?」
特にあなたがたと。
なんていう言葉は呑み込んだ。
「そうなの?イメージ的には読書とか好きそうだなって思ってたけど。やっぱりインドア派?」
そんなふうに見られてたんだと思ったのと同時に、この発言を玲が聞いたら笑うだろうな、と玲の笑顔が浮かんだ。