あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

「んー、千景はダメです。もっと自然の笑顔がいいんですー」

 千景の笑顔、いつだって貼りつけたような。

 自分の感情を隠すために用いる笑みだ。

 
 私も、同じだからわかる。


 愛想笑いでも、なんでもなく、自己防衛のための笑み。

 そんな笑みはあまり好きじゃない。

「えー、俺は純100%で天然の笑顔なのになぁー」

 とお茶らけたように言う千景に私ははぁ、とため息をついた。


 いつもこの調子だからなぁ…。
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