あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

バシャンッと音がしたのと同時に、私は水の中にいた。

 鼻がツーンとする感覚と、息苦しさを覚え、私は水面に出た。

「ぷはっ、ん」

 近くにある浮き輪につかまりながら、目をこすり、視界をクリアにした。

 そこには、にやにやと楽しそうな千景の顔があった。

 ・・・むかつく!

 浮き輪をひっくり返され、顔も、髪もべちゃべちゃになった。

 何より、鼻痛いし!

「最低です!めっちゃ鼻痛いんですよ!?」

「へぇー、大丈夫?」

 全然そんな風には思っていない様子で私のことを見る千景。

「莉子ちゃん、大丈夫?」

 本当に心配してくれてるのは葵だけだ。

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