あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
”中身をみていない”
その気持ちがわからないわけじゃないけど。
それは私達も同じことだと思う。
最初はみんな見た目しかわからないから、知らないのは当たり前じゃないのかなって。
葵が言っている意味がそういうことじゃないってのはわかってるけど。
私達だって騒いでいる彼女たちのことを全く知らないのだから。
どんな性格で、どんな気持ちで・・・なんてわかるわけないんだから。
「莉子ー、準備できたぞー」
ぼーっと、一点を見つめていると後ろから龍の声が聞こえた。
「じゃあ、莉子ちゃんいこっか」
さっきの神妙な顔を変えて、爽やかに笑った葵に頷きながら、私は葵の後ろを歩いた。