あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

「ただいまー」

 ガチャリとドアを開けた。

 もちろん、誰もいないのだから返事なんて返ってこないけれど。

 玄関を上がり、鍵をいつもの場所へ置きリビングの電気をつけた。

 本当、誰もいないんだなぁ…。

 さっきまでの大人数の賑やかさを感じたからか、余計に静かな空間いると“一人”だということを改めて認識させられる。

「寂しい…なんて」

 こんなことならこのままたまり場に行って、泊まるという選択をすればよかった。

 けれど、さすがに今日は疲れてるからって遠慮したんだよね。

 静かにため息を落とし、私はお風呂に入る準備をした。

 疲れているからといって今日、お風呂に入らないのはまずい。

 ただでさえ、塩水で髪の毛がぱっしぱしになっているというのに。

 そんなことを思い、お風呂に入ろうとしたときワンピースのポケットが振動した。

 何か忘れものでもあったっけ?
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