あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

どうこたえようか迷っていると、奥の扉がガチャと音を立てた。

「まぁ、まぁ、お二人さん。今日は楽しかったって終わらせればいいでしょ?」

 そう柔らかな笑みで出てきたのは葵だ。

 着替えが済んだのか今は楽なスウェット姿になっている。

 それでも爽やかに見えるのは葵が放つ雰囲気のせいだろう。

「やだなぁー楽しかったって話をしてるだけなのにぃ」

 そう返した千景に陸は頭を押さえた。

 この二人を引き合わせてよくなることはない。

 事態が悪化するだけだ。

 陸はぐびっと炭酸をのみ、残りおいて立ち上がった。

「風呂、入ってくるわ」
 
 それだけ言うと自室へと帰ってしまった。

「面倒なことになりそうって顔してたね」
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