あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
「・・・葵」
そう声をかけても、んー?と生返事で完全に酔っている。
「ねぇー莉子ちゃん」
と、しゃべったかと思えばジリジリと壁のほうに押されている。
今の葵は無害そうな顔して危険な人物だ。
それに酔ってると言ってもやっぱり力は男なので押し返そうとしても無理だ。
「これで逃げらんないね?」
そういわれ、気づけば背中にはひんやりとした壁の感触が伝わってきていた。
葵の腕は私を逃がすまいとするように壁に押し付けられている。
「・・・葵らしくないです」
そういってもこうなってしまえば届かないんだけど。