あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
At the end a little more
「では、燃えるごみはこっちで燃えないゴミはあっちでお願いします」
『はーい』
目の前に広がるゴミをみながら部屋のいたるところに置かれているゴミ袋を指さした。
結局あのあと、シリアスムードを破るようにしてパタッと寝てしまった陸を合図に私も眠くなり、泊まらせてもらったのだった。
ここを片づけるのは大変だけど、楽しかったからいっかなんて思いながら私は落ちている空き缶を拾っていく。
「莉子ちゃん、おはよ」
「おはようございます、葵」
隣に立つ葵の顔を見ればたちまち昨日のことを思い出してしまった。
ほんのりと熱を持つ頬を無視しながら、私は手を動かした。
たぶん、葵は覚えていないだろう。
覚えていたら、きっとこんなに普通には話してこないだろうし。