あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

「てか、汚すぎだろ」

 一緒にゴミ拾いをしていた陸がはぁ、とため息をついた。

 それは同感である。

 空き缶まではわかるけれど、どうしてこんなにぐちゃぐちゃになるのだろう。

 何もかもひっくり返ったような状況に私は目を覆いたくなる。

 誰かが酔っ払って棚にぶつかったのか、その中身も落ちてきているし。

「まぁ、でも始めたときよりだいぶ床も見えてきましたし」

 後ろでは洗い物をガチャガチャやっている二人と、これでもかっというくらいの空き缶を拾っている音が聞こえる。

「そうだな、あともう少しか」

 
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