あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
葵は罰悪そうな顔をしてベッドの隣に置いてある椅子に座った。
「熱だよ。冷やしたら下がってきたし大丈夫だとは思うんだけど。本当ごめん。俺が走らせちゃったばかりに」
私の目をしっかりととらえるその顔は疲れているように感じた。
「いえ、私が走りたいと言ったことですしそれに葵こそ休んでください。疲れているのでしょう?」
部屋の壁に掛けてある時計を見ると私が寝たとされる時刻からおよそ2時間は経っていた。
その間、ずっと私を診ていたのかと思うと本当に申し訳なくなる。
「でも、」
「気にしないでください。今回のことはおあいこですよ、ね?」