あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

「どうだか、ま、今日は俺もこれからあっちに用があるし帰るわ」

用があるのに呼び出して悪かったなぁ、とちょっとだけ思った。

ちょっとだけ。

どうせ、ようっていったって対した事ではないと思うし。

「そう。じゃあくれぐれも気をつけてね」

玄関までついていき、靴を履いた海里に声をかけた。

「わかってるって、じゃあな」

右手をひらりとさせ、海里はドアを開け出て行った。
< 94 / 227 >

この作品をシェア

pagetop