ぁなたの元へ
それから恭斗と愛は他愛もない話をしながら歩いた。



20時になり花火が上がり始める。



県内でも1番大きな祭りということもあって、花火はとても盛大だった。

『綺麗〜…』


『だなぁ〜』





1時間くらいたち、フィナーレの花火が終わった後も、愛はしばらく余韻に浸ってた。





『帰るか。』





恭斗はスタスタと歩き始めた。


《待って》


恭斗には遠慮してしまって、どうしてもその一言が言えない。




しかも履き慣れない履物のせいで、靴擦れをしてしまった。



痛いッ…


そんな愛を気にもせず恭斗は歩いていく。



前だったら手を繋いでくれてたのに…



痛い足を我慢しながら愛は必死に恭斗を追いかけた。




やっとの思いで追い付いたが、足は限界に近い…


だから恭斗の持っていた鞄を掴んで着いていった。


周りには仲良く並んで歩くカップル…





何か違う…





そう思っていると、恭斗が振り返った。



『足、痛くない?』



『ん、ちょっと痛いけど大丈夫。』






嘘ばっかり…



また遠慮…
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