ぁなたの元へ
―愛と龍一の始まりはそんなメールだったね。
愛はすごくドキドキしてました。
ホントに他の人に対する気持ちとは違ってたんだよ。
そして―
もちろん今でも“運命”の人だと思ってます。
昔ね、
おばあちゃんが言ってたんだ。
『人はね、小指に赤い紐が付いてるの。
その紐の先は、運命の人と繋がってるんだよ。』
『愛にもその紐付いてるの?』
『フフッ、付いてるよ。その人を見付けられるかは愛次第だよ。
そしてね、
見付けられたら、その人がどんなに遠くにいても側に飛んでいけるんだよ。』
『でも、愛は小鳥さんじゃないからお空は飛べないんだよ?』
『フフッ。そうだね。お空は飛べないね。でも心は飛んでいけるんだよ。
おばあちゃんはね、おじいちゃんが運命の人だから、
おじいちゃんが天国に行っても心はずっと、おじいちゃんの近くにいるんだよ。』