トリトマ



「おい、聞いてんのか?」


「あー、うん、はいはい。ごめんね。ちょっとイラッときたから」


「イラッときたら人を殴るのかお前は!」


「まあ、周介だしね」


「なんだと貴様!」




購買の自販機に売ってある"マムシ緑茶牛乳"を買ってラウンジのベンチに座った。
周介はわたしの"マムシ緑茶牛乳"をガン見しながら昨日のことを話はじめた。




「お前さあ…林田さんと仲良いだろ?」


「ま、ね。」




周介の好きな人は、わたしの親友の林田 心。
じつは心も周介がすきなのだ。だから昨日、いっそのこと告白して、振られてきれいさっぱりあきらめようと思っていたのだ。
心には言わないでと口止めされているから、心が周介のことを想っていることはまだ言っていない。





「だから、昨日もいったようにな、」


「………」







ああ、






もうあなたに








「紗緒に協力してもらいたいわけ!」







この想いが届くことは






















「……いいよ」















ないのでしょうね。
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