トリトマ
3
「おい、聞いてんのか?」
「あー、うん、はいはい。ごめんね。ちょっとイラッときたから」
「イラッときたら人を殴るのかお前は!」
「まあ、周介だしね」
「なんだと貴様!」
購買の自販機に売ってある"マムシ緑茶牛乳"を買ってラウンジのベンチに座った。
周介はわたしの"マムシ緑茶牛乳"をガン見しながら昨日のことを話はじめた。
「お前さあ…林田さんと仲良いだろ?」
「ま、ね。」
周介の好きな人は、わたしの親友の林田 心。
じつは心も周介がすきなのだ。だから昨日、いっそのこと告白して、振られてきれいさっぱりあきらめようと思っていたのだ。
心には言わないでと口止めされているから、心が周介のことを想っていることはまだ言っていない。
「だから、昨日もいったようにな、」
「………」
ああ、
もうあなたに
「紗緒に協力してもらいたいわけ!」
この想いが届くことは
「……いいよ」
ないのでしょうね。