この思い秘密です

普段は誰もいない時に何かをしながら好きな歌を歌うのが好きだった。

だけどね、こんなに歌を歌うのが苦痛に感じたことはない。

社長、現役のミュージシャンに音楽プロデューサーの目の前

視線をどこに向けて歌えばいいのだろうか考えた。

私はゆっくりと目を閉じ一度大きく深呼吸をすると

自分の好きな場所をイメージした。

今自分が一番落ち着くのは・・・掃除機！

掃除機かけながらヘッドホンで好きな歌を聴きながら歌っている。

それをイメージしながら私は歌った。

屋上で歌った淳平の曲「heat」を歌った。もちろんアカペラで・・・

そして１コーラスを歌い切ったころ

坂下さんの「凪ちゃんもいいよ～～」と満足そうな声が聞こえ

パッっと目を開けた。

口角をあげ、とても満足そうにニコニコした坂下さん

口を半開きにしながら私を凝視している近田社長

そして・・・

目を見開いたままかなり驚いたように私を見る・・・淳平


３人の視線が怖くて私はすぐにソファーに座ると視線を合わせないように下を向いた。