この思い秘密です
だけど、私の思いとは反比例するかのように淳平の人気が徐々に下降していった。

理由は恐らくどの曲も似たような感じでマンネリ化していたのだと思う。

雑誌で取り上げられることも、テレビに出ることも・・・・ライブ会場が徐々に小さくなる

淳平をものすごく遠いところから見ていてた私は無謀にも

沖野淳平という男が再び多くのスポットライトを浴び、大きな会場で

大好きな歌が歌えるように手助けしたいと就職活動を

淳平の所属事務所一本に絞った。

とにかく今考えると無謀すぎるといえるけどあの時の私は一つのことに夢中になると

周りが見えなくなる残念な女だった。(今もですが・・・)

だが大きな事務所じゃないから最初は門前払い同然だった。

「どうせお目当てのアーティストがいるからだろう?」と社長に何度言われたことか。

確かにその通りだけどそういったオーラを完全に消して通い続けた。

そのうち同じ事務所の淳平の後輩たちが次々とデビューし、人気も出てきて

マネージャー不足になった時社長からお呼びがかかった。

そして特別な試験を受けることなく就職することになった。

最初はお茶くみからのスタートだろうと思っていたがなんと私が淳平の担当になったのだ。

こんなこと淳平は知らないと思うが人気の落ちた淳平にマネージャーはいらなかった。

だけどこの事務所がここまでになったのは淳平のお陰だから

仕事がなくても淳平にだけは世話をしてくれるマネージャーが必要だった。

そういった理由でもいいのなら採用するといわれ私は二つ返事で就職が決まった。

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