この思い秘密です
「・・・・出てこない」
翌日から私たちは曲作りを開始した。
と言ってもやるのは淳平であって私は特にやることは・・・・ない。
だから家事全般をこなした。
食事に洗濯、掃除・・・自分の家にいるときよりも機敏に動いた。
だってそれぐらいしかやってあげられることがないからだ。
そして淳平は・・・・というと
朝ごはんが済むとすぐにスタジオにこもった。
そしてお昼ご飯が出来た頃呼びに行ったが
「後で・・」と言ったきり出てこず、時計は既に15時を過ぎていた。
だからと言って私に何かできるかといえば何もできないわけで・・・
そんな自分が嫌になる。
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「淳平?」
「ん?」
返事はするものの視線は譜面とギターだけ。
「晩ご飯できたんだけど・・・」
譜面の上にはたくさん音符が書き込まれているものの大きくバツがついていたり
途中でやめてしまい書きかけだったり・・・
それだけで行き詰まっているのが私でもわかった。
淳平は持ってたペンを置くとギターをスタンドに置き、時計をみた。
「もう~こんな時間だったんだ」
少し驚いたように時計を見ていた。
スタジオは窓がないから外の様子は全くわからない。
「そうだよ。お昼だって結局食べなかったでしょ?夕飯ぐらい食べたら?」
「・・・そうだな・・・」
淳平は力なく立ち上がると背伸びをした。