この思い秘密です
淳平は機嫌が悪くなると声のトーンが微妙だが低くなる。

これは私がマネージャーになって知ったことで淳平本人は気づいていないだろう。

無意識のうちに低くなっている。

今の言葉はまさに私のそっけない返事にイラっとしたんだ。

私のこと寝ないで待ってくれてたのに私の馬鹿!

「う・・うん。できたよ・・・できたけど・・・私みたいなど素人の書いた詞なんて
淳平の書いたものに比べたらー」

「見せてよ」

淳平の手が伸びる。

「今?」

「今」

自分の好きな人を思ってかいたのを本人に見られるとか恥ずかしすぎる。

でも淳平は伸びた手を振りながら早く見せろと急かす。

「どうしても見るの?」

「今まで起きてたんだから見る権利あるよね」

たしかに詞がなきゃ淳平は曲を作らないだろう・・・

私がやらなきゃ淳平の契約更新が切れちゃうんだよね。

それは困る!

「はい・・」

渋々、歌詞の書いた紙を淳平に渡すと淳平は姿勢を正し私の書いた詞を読み始めた。

< 44 / 80 >

この作品をシェア

pagetop