この思い秘密です
「だから・・・もっと自信もっていいんだから」

「そう・・ですか?」

あんなにけちょんけちょんにダメ出しされても?と言おうとしたがやめた。

すると坂下さんの顔が近づいてきた。

「そうだよ。だって僕が凪ちゃんを選んだんだから・・・」

坂下さんが私のプレッシャーを軽くしてくれてほんの少しだが気持ちが楽になった。

「次からはリラックスして・・・と言いたいところだけど・・・」

坂下さんがブースにいる淳平をちらりと見た。

「君たち・・・何かあったの?」

「へ?」

「・・・いや・・沖野君、凪ちゃんに対してかなり熱心に指導していたから・・・
 僕以上にね。だから凄くこのアルバムに力をそそいでいるんだな~と思っていたんだけど・・」

坂下さんは言葉を途中で止めると急に口角を上げにやりと笑った。

そして何をするかと思えば急に私の髪の毛に指をくるくると絡ませた。

「な・・な・・なんですか?」

「ん?・・・どうやらちょっと違うなって思って・・・ちょっと実験」

な・・何もないどころか、ずっとまともな会話してないですよ。っていうか実験?」

「そう・・・ちょっと待って。すぐに答えが出るはずだから」

坂下さんは私に笑顔を向けた。

恋愛感情は全くないけどイケメンが至近距離で笑顔を向けてドキッとしないわけがない。

案の定私の顔は一気に赤くなった。

「さ・・坂下さん顔が近すぎです。答えってなんですか?」

すると坂下さんはちらりとブースの中の淳平を見て再び私に視線を戻した。
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