この思い秘密です
もちろん私は顔を引きつらせ何も言えずに視線を落としたが

「はい?」

社長の返事はもちろん想定内だけど

淳平はというと目をいつもの1.5倍は大きくし私を見ていた。

坂下さんも社長たちの反応は想定内だったと思う。

表情を崩さず坂下さんは話をつづけた。

「先日、凪ちゃんの歌声を聴く機会があって、その透き通る声に僕惚れちゃってね。
 てっきりミュージシャンかと思ったんだけど・・・ここの事務所でマネージャーさんやってるって聞いて
 マネージャーで終わらせるのはもったいないからってスカウトしたんだけどね・・・・」

坂下さんの視線が今度はまっすぐ淳平へと向いた。

「でもね、凪ちゃんはできないっていうんですよね。理由を聞いたら・・・・
 沖野君を全力でサポートしたいっていうんだよ。で、僕の誘いに首を縦に
してくれないからさ・・・沖野君」

坂下さんの目が鋭くなった。

「・・はい」

「凪ちゃんとユニット組まない?」

『えええええ?!』

淳平と社長の声がハモった。
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