あたしだけのヒーロー
「………あたし、ね……親友の千里の気持にも、徹の気持にも気づいてあげられなかったの。




一番、そばにいたのに。







徹にキスされたとき、いやでいやでたまらなかった。




それを知ったらきっと啓に嫌われるって怖かった。






千里の気持ちを知って、自分が大嫌いになったの。






もうこれ以上千里に嫌ってほしくなかった。





徹も、千里も、怖くて怖くて仕方なかった。





逃げたかった、すべてから。現実から。







自分勝手に啓に別れを告げた。」
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