虹色のラブレター
帰りの高速道路に乗った時、すでに太陽は顔を出し始めていた。
朝陽の逆光を浴びながら、僕は彼女に訊いてみた。
『今日は大丈夫なの?』
「今日?バイトのこと?」
『うん、それもあるけど……明日のことは明日考えるって……』
「大丈夫、バイト休みだもん」
『それはよかったけど……帰れる?俺でよかったら今晩も付き合うよ』
彼女は大きく首を何度も横に振った。
「ううん、大丈夫!!心配しないで、何とでもするから」
『え、でも……』
僕の言葉をさえぎる様に彼女は言った。
「私のことより智の方がヤバいんじゃない?オール明けで仕事でしょ?」
『そうだけど……』
「寝不足で倒れないように!!」
千鶴はそう言って笑って見せた。
車は高速道路を真っ直ぐ地元に向かって走り続けていた。