虹色のラブレター
「さあ、食べましょう」
小さなテーブルいっぱいに料理が並んだ。
メインは手作りハンバーグだった。
それと、クリームシチューにサラダ。
ポテトも手作りだった。
『すごい……』
「そう?味の補償はないけど食べて?」
僕たちは向かい合わせに座って、手を合わせた。
『いただきます』
僕がハンバーグを切って口に運ぶまで、千鶴はずっと何かを観察するかのように僕の行動を見ていた。
僕はゆっくりと味わった後、そんな千鶴と目を合わせて大きく頷いた。
『美味しい!!……いや、マジで!!』
「ほんと!?やったーっ!!」
千鶴は両手をバタバタさせて、座ったまま飛び跳ねて喜んだ。
『そんなに嬉しい?』
「うん!!だって誰も褒めてくれないんだもん!!」
『こんなに美味しいのに?』
「うん。なんか当たり前みたいにさ……」
千鶴は寂しそうに言ったが、僕には特別だった。
「彼女が僕の為に作ってくれた」と思うだけで、大声でみんなに自慢したいくらい嬉しかった。