虹色のラブレター
「私はぁ~……智の1コ下っ」
美貴は僕の言ったことを何の疑いもなく信じきっているようだった。
笑いを堪えきれずプッと吹き出してしまった僕を見て、彼女は「何?何?」と不思議そうな表情を見せた。
『俺は美貴さんの2コ下だよ』
「え!?どういうこと!?」
彼女はまだ僕の言ったことを信じているみたいだった。
その表情は更に僕の笑いのツボを押さえた。
『あははははっだから2コ下だってば!!』
僕は昔からよく実年齢よりも年上にみられることが多かった。
中学の時は高校生、高校生の時は大学生というように……だから、僕が言った冗談を彼女が信じきってしまうのにも無理はなかった。
しばらく考えて、ようやく彼女はその答えに辿り着いた。
「じゃ……18才ってこと?」
『あははっ当たり!!』
「何それ~っだったら呼び捨てでいいんじゃない!!」
『だからいいって言ったじゃん』
彼女は単純で、人を疑うということを知らなかった。
まるで子供のように。
それは、何でも透き通って見える水晶のように美しく、濁りがないように見えた。