虹色のラブレター
しばらく、僕はあてもなく車を走らせていた。
そして、最終的に僕が選んだ場所は、広い海岸沿いを埋め立てて作られた海浜公園だった。
つい最近、道路が開通したばかりのそこら辺り一帯は、ただ広いだけの空き地が永遠と広がっているだけだった。
近い将来、ここに様々なビルや施設が建てられ、街の中心へと変わっていくのだろう。
空き地は全てその予定地だった。
僕が車を停めた時、陽はもう沈みかけていた。
僕は彼女を急かして車を降り、目的の場所に案内した。
ただ理由もなくここに来た、という訳ではなかった。
透き通るほど綺麗で透明な彼女に、この日一番の色を見せてあげたい……そう思ったから僕はここに彼女を連れてきた。
様々な植物が植えられた、出来たばかりの公園通りをしばらく歩いていくと、水平線が見える海の展望台に辿り着く。
そこに並べられた幾つものベンチの一つに、僕たちは並んで座った。