虹色のラブレター
そして、そのまま自分の車の方に戻ろうとした彼の背中に、僕は声をかけた。
『あ、あの!……ありがとうございました!』
すると彼は、足を止めて僕の方に振り返って言った。
「ん?いいんだ。俺は美貴ちゃんの友達だから。美貴ちゃんいい子だろ?」
『は、はい』
「でも、これくらいしか……美貴ちゃんにしてあげれることはないから。後はあんたに任せるよ」
彼は笑いながら僕に手を振って、自分の車に乗った。
そして、僕が美貴を助手席に乗せてる間に、クラクションを一回鳴らして車は3台とも走っていった。
辺りは一気に静かになり、頭の上の高速道路を走る車の音だけが響いた。