虹色のラブレター


5月17日月曜日 曇り


***


今日、学校を出たところで後ろから腕を掴まれた。

ナオキだった。


怖かったけど…はっきりしとかなきゃって思って、ナオキの車に乗って久しぶりに彼のアパートに行った。


ナオキは私に謝ってきた。

「病気のこと突然聞かされてどうかしてた」って。

「俺が支えてやるから、もう一度やり直そう」って。


今更、そんなこと言われても…もう遅いよ。

ナオキの気持ちもわかる…わかるけど…

でも、そうじゃないと思う。

もし、ナオキの立場が私なら、智なら、美貴なら…

あんなことはしなかった。


そう、私が一番辛い時に、ナオキはそばに居なかった。

私はずっとナオキの帰りを待ってたのに…

ナオキは帰ってきてくれなかった。


そんな時、私を支えてくれたのは智と美貴だった。


私には、大切な人がいる。


だから、もう関わらないでってナオキに言った。


そしたらナオキはキレだして…私を襲ってきた。

私はいつでも逃げれる準備をしてたから、とっさに部屋から飛び出して走った。

本当は走ったりしちゃいけないのに…。


怖かった。


ナオキはやっぱり怖い。

口ではあんなこと言ってても…本当は私のことなんて思ってくれてないんだ。って実感した。


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