は?何それおいしいの?



予想外に時間も空いたし、少し寄り道して帰ろうかな、と考えていたら背中に結構な衝撃がぶつかった。


思わず噎せて振り返るとニッコリと笑ったなしのんが。おいこら何すんだ。



「ふっふっふ、さっきの話は聞かせてもらったわ!!」


「、は?」


「ということでみーな、今から買い物付き合ってーっ」


「……は?」



ポカンと間抜け面を晒していたあたしの腕をとり、抗う暇もなくなしのんはさっさと歩き出してしまった。


で、連れて来られたのは学校から比較的近い洋服屋さんの集まったちょっとしたビル。


安くてかわいいと女子中高生に人気らしく、放課後でも賑わっていた。


はて?なぜあたしはこんなところに連れて来られたのだろうか。


首を傾げるあたしなんて気にせず、さっさとお店の中に入ってしまったなしのんのあとを追う。


こんな未知の世界に追いて行かれたら堪ったもんじゃない。



「みーなぁ、こっちこっち!」



手招きするなしのんのもとに素直に行けば洋服を押しつけられた。なぜ。



「ん?今日はみーなの洋服買いに来たのっ」


「え、なんで」



別に新しい服とかいらないし、と言えばなしのんに大袈裟なぐらい大きいため息をお見舞いされた。





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