は?何それおいしいの?



あのときはマジで桃にぃ男として終わってるのかと思ってビビったわ。でもそう言ったら桃にぃ普通に、



「は?ないわけないでしょ」



って言われたっけ。そんなあっけらかんとされたらこっちのがポカンだよ。


じゃあなんでエロ本見ても無反応の興味なしだったんだと聞いてみれば、呆れたような顔をされた。



「あのさ、稔は極上のご馳走目の前にして、他のものに目移りするの?」


「へ、ご馳走?」


「うん、ご馳走。する?」


「え?あ、いや多分しないけど」


「でしょ」



……いやいや、何それで納得したよねみたいな顔してるの桃にぃ。


桃にぃの例えっていつも食べ物だからあんま意味分からないんだって。姉ちゃんならもう少し分かったかもしれないけどさ、俺は残念ながらそこまでの域に達してないんだよ。



「んー、つまり、いつも好きな女が隣にいるのに、わざわざ他の女に興味持つわけないでしょ」


「……うん?」



好きな女?






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