は?何それおいしいの?



それで再び目覚めてあたしは今ベッドの上。しかもまだ裸のままなんだけど……桃がいるから着替えるのも恥ずかしいし、何より動くのが億劫すぎる。


うぅ、と嘆くあたしに対して桃は稀に見るほど機嫌がいい。さっきも鼻唄口ずさんでたし。



「ごめんハナ。だってずっとハナとこうやってしたいって思ってたから」


「(うぅ……っズルいいぃ……!!)」



そう言われてしまえば、どれだけ桃が自分のことを想っていてくれたのかの片鱗を見た気がして強く言えなくなる。


おずおずと顔を出せば桃があたしを見ていて、じわりと体の体温が上がった気がした。



「ふふっ、ハナってば予想以上にかわいかったんだもん。あれで理性保てって言う方が無理だよ」



快感に悶える姿とか羞恥に震える体とか痛みに涙堪える表情とかゾクゾクした、と恍惚とした表情で言うものだから、なぜかあたしの背中にゾクリと戦慄が走った。な、なんか桃が怖い。


そんなビクビクしてるあたしになんて気づいていないのか、ニッコリと笑顔を向ける桃。裏に何かありそうとか考えちゃダメだ。余計に怖くなることが目に見えてる。



「それに俺だって昨日が全部初めてのことだったし、仕方ないと思わない?」


「……………」



はい?





< 80 / 84 >

この作品をシェア

pagetop