は?何それおいしいの?



このこのぉ!と突っかかってくるなしのんは無視しておいて、さっさと授業のために必要なものを机に準備する。


ちなみに『なしのん』というのはあたしのつけたあだ名。


なしのんはあたしに『みーな』というあだ名をつけたのでそのお返しである。


本当は某キャラクターからとって『ゆなっしー』にしようかと思ったけど拒否された。かわいいのに。



「天野はあいかわらずグルメ雑誌……ブレないわー」


「ねー」



あたしたちの会話が聞こえているのか定かではないけど、それに応えるようにコクコクと桃は頷いた。


それかこれを食べに行こうと決めて1人で頷いてるかのどっちかだな。



「そだ、みーなに頼みあるんだった」


「ん?何?」



難しくて面倒な頼みは却下するから、と言えばケラケラと笑った。どっちだ。


なしのんからの頼みとか珍しいなぁ。



「で、何?」


「うん、うちの兄貴が合コンセッティングしてね、それに女の子が1人足りないの。だから、」


「却下」


「はやっ!最後まで話聞いてよっ」



お願いっ、と上目遣いで言われてしまえば弱いもので、渋々ながら話の続きを促す。



「あはっ、ありがとー!で、それに参加してほしいなって」


「やっぱ却下」


「言うと思ったけど!お願いだよみーなぁ、これわたしも参加するの!みーなのことはわたしが守るからっ」





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